今回のブログは、このシリーズの続きです。
最初の投稿:料理が苦手。家族も食べない。でもみんな優しい(T ^ T)
その後の投稿①:「料理が苦手。家族も食べない。」~その後①~わたしの意識改革編
その後の投稿②:「料理が苦手。家族も食べない。」その後②~みんなのコメント編
前回ちらっとご紹介しましたが、10月の投稿後に、友人が貸してくれたのがこの本。
この本に
- わたしが「和食」「粗食」「薄味」料理を好きな訳
- 家族が普段の食事を「おいしい!」と言わない意味
が書いてあって、目からウロコでびっくり☆
今日は、わたしのように「料理が苦手」と思っている方に向けて、土井先生の本をもとに、「どんな食事を用意するか」について考えていきたいと思います。
目次
「家族がわたしの手料理を美味しいと言わない」意味
さて、前回の記事で書いたように、わたしはずっと「家族がわたしの手料理を美味しいと言わない」ことにコンプレックスを抱いていました。
家族が好まない、「和食」「粗食」「薄味」な食事ばかり作ってしまうからかなぁ、もっと家族が美味しいと喜ぶような食事を作らなくちゃなぁと思っていたんですが・・・。
ちなみに、「粗食」と表現したのは、わたしの好きな切り干し大根やひじきの煮物、味噌汁といったものが、子どもの好きなカレーやから揚げなどに比べて地味に見えるからです。
でも、この本に、こんなことが書かれていました。
食事には、脳が喜ぶ「おいしいっ!」という美味しさと、身体が心地よいと感じる「普通のおいしさ」がある。
「普通においしい」とは、暮らしの安心につながる静かな味。切り干しのおいしさは、「普通においしい」のです。
家庭にあるべき美味しいものは、穏やかで地味なもの。よく母親の作る料理を「家族は何も言ってくれない」と言いますが、それはすでに普通においしいと言っていることなのです。何の違和感もない、安心している姿だと思います。
わたしが食べたくてよく作るような食事は、家族の安心につながる穏やかなおいしさなんですって。
家族がおいしいと言わなくても、それでいいんだそうです。
「一汁一菜でよいという提案」
著者の土井氏は、この本で「一汁一菜でよいという提案」をされています。
一汁一菜というのは、ご飯を中心とした汁と菜(おかず)。
ごはんと味噌汁だけでもいいそうです。
日本の食事は、欧米の文化が入ってくる前、つまりほんの数十年前まで、「汁飯香」だったそうです。
つまり、「ごはん」「みそ汁」「漬物」だけ。
みなさんは、この写真を見て、どう感じますか?
わたし、飯汁香の写真を見て(上の写真は本の写真とは違いますが)、とってもホッとしたんです。
ああ、本当はこういう食事がしたいんだなぁって。
日本人だからかなぁ?
「ハレ」と「ケ」という概念
日本には、「ハレ」と「ケ」という概念があります。
もともと、日本の日常の家庭料理は、「ケ」の食事。
飯汁香で手間を掛けません。
それに対して、特別な祭りごとで用意するお料理が「ハレ」の料理。
神様のためにつくるお料理だそうです。
「一汁三菜」の習慣は、このハレの日の料理がテレビなどで紹介されるうちに、いつの間にか家庭料理の基本と誤解されるようになってしまったものなんだそうです。
食事作りのストレスを減らす
土井氏が一汁一菜スタイルを提案する理由のひとつに、以下のような理由があるそうです。
食事を一汁一菜にすることで、食事作りにストレスはなくなります。それだけで精神的にも随分と楽になる(~中略~)。
自由に伸び伸びできる余暇という時間を作ることで楽しみができて、心に余裕が生まれてきます。
土井氏も、食事作りに関して手を掛けないで、心に余裕を作ることを勧めていました!
メニューを考えるストレスをなくす
毎日違うものを作らなくてはと思うと、メニューを考えるだけでストレスです。
でも、身体が喜ぶ安心につながる「普通のおいしさ」は、食べ飽きないもの。
毎日同じものでいいんですって。
どんなに美味しいお料理も、繰り返し、毎日食べたいとは思わないものです。ところが、ご飯に味噌汁、漬物は毎日食べても食べ飽きることはありません。
人間が人工的に味付けをしたおかずというのは、食べてすぐに美味しいと感じるほどに味がつけられています。そういった味付けは、またすぐに違う味付けのものを食べたくなります。
一方で、ご飯は米を研いで水加減して炊いただけ。味噌は微生物が創り出したもので、人間の技術で合成した美味しさとは別物です。
確かに、ご飯と味噌汁って、毎日飲んでも飽きません。
それどころか、なんだかホッとする。
作り方もシンプルに
味噌汁や一菜(おかずのこと。なくてもよい)の作り方に関しても、手間をかける必要はないそうですよ。
素材を生かすには、シンプルに料理することがいちばんです。
ところが、この頃は、料理に手を掛けることが愛情を掛ける、思いを込めることにつながる。料理には手を掛けなくてはいけない、手を掛けたものこそが料理だと思っている人が多い。
手のかからない、単純なものを下に見る風潮がお料理をする人自身のハードルを上げ、苦しめることになっているのです。
家庭料理、日常の料理は、食材を洗い、食べやすく切って、火を入れる。それ以上には手を掛ける必要がない。素材をそのまま頂けばよいのです。
ご飯は、お米を研いで、水加減をして普通に炊くだけ。
お味噌汁は、冷蔵庫にある具材を切って、だし汁に入れて火にかけて、最後に味噌をとくだけ。
超シンプル!(笑)
もし失敗しちゃっても…
ちなみに、 土井さん、こんなフォローもばっちりです♪
一汁一菜のような身体が求めるお料理は、作り手の都合でおいしくならないことがあります。おいしい・おいしくないも、そのとき次第でよいのです。そう思ってください。必要以上に味を気にして、喜んだり、悲しんだりしなくてもいい。どうでもよいというのではありませんが、どちらもありますから自分自身でその変化を感じていればよいのです。
美味しくならない日があっても、気にするなってことですよね?(o^―^o)
我が家の夕飯はどうなった?
投稿では「平日の夕飯は白飯だけにしてはどうか」と提案するくらい追い詰められていたわたしですが、じゃあ結局どうしているのかというと、
作ってます(笑)
以前よりずっと余裕のある気持ちで、なんとなく「作りたくて」、作ってます。
割と毎日、少しずつね。
我が家の夕飯も一汁一菜に変えてみた
実はこの「一汁一菜でいいという提案」は、10月の投稿後にすぐに友人が貸してくれまして、その場ですぐに読みました。
いろいろと目からウロコ。
それからは、夕飯を「ごはん、味噌汁、もう一品」のスタイルに変えてみました。
毎日子どもが「おいしい!」と言うごちそうを作る必要はない
この本を読んでから、毎日のメニューのプレッシャーがなくなりました。
毎日夕飯の献立を考えることに頭を抱えていたけれど、子どもが喜ぶような味の濃いもの、人工的な味付けのものを作るから、毎日食べるには飽きやすくて、余計に毎日違うものを作らなくてはと思ってしまうんですね。
作るものはもう決まってる。
しかも、毎日食べても食べ飽きない(少なくともわたしは飽きない)。
献立を考えるプレッシャーがなくなるだけで、結構気持ちに余裕ができます。
「ごはん、味噌汁、もう一品」~ごはん
ご飯はもともと毎朝炊いています。ごはんが嫌なら、パンでもいいしね。
「ごはん、味噌汁、もう一品」~お味噌汁
味噌汁は、冷蔵庫にあるものだけで作れます。
野菜とたんぱく質をチョイス。
たんぱく質は、刻み油揚げと豆腐だったり、おかずから少し失敬したお肉や魚だったり。
なんでもいいんですって。
しかも、後ほどまたお話しますが、お味噌汁って、具を食べずに汁だけ飲んでも栄養たっぷりなんですって!
具材の栄養が溶け込んでいて、自然発酵食品である味噌も摂れる。
ここで、わたしが気になっていた「家族の健康」にも貢献できて、むしろドヤ顔(笑)。
これまた後ほどまたお話しますが、簡単な「だしの取り方」を教わってやってみたら、味噌汁がものっすごく美味しくなったんです!
美味しい味噌汁のなんてホッとすること。
わたしの「おいしいものが食べたい」も大満足です。
それに、いつからかずっとお味噌汁は飲もうとしなかった長女が、このだし汁を使い始めてから、「おいしい!」と言ってよく食べるようになりました。
三女ちゃんも、お味噌汁の具材に、お芋など手づかみできるようなものが入るから、喜んでパクパク食べますし、汁も大好きです。
旦那さんも、「最近みそ汁が美味しくなった」と目を輝かせてくれました♪
おや、うれし〜♪
次女ちゃんも、具は食べないことが多いけど、「栄養たっぷりだから、汁は飲んでね」と言うと、汁だけは飲んでくれます。
これには、次女ちゃんにも「バランスのいい栄養って大事」ってわかってもらういい方法がひとつ見つかったので、それも良かったのかな。
このお味噌汁は、食卓の笑顔にとっても貢献してくれています。
「ごはん、味噌汁、もう一品」~もう一品
「もう一品」として、子どもの好きなから揚げや、焼いただけの魚、便利調味料で痛めただけのお肉、冷凍の揚げ物なんかを足して、家族の満足に貢献。
脳が喜ぶ料理、やっぱりおいしいよね(笑)
こういったものしか食べたがらない次女ちゃんにも、味噌汁でとりあえず栄養が摂れている気がして、イライラすることが減りました。
野菜を足さなきゃ、というプレッシャーがないから、作り方もシンプルで簡単です。
冷凍食品も使いますが、料理するのも苦じゃなくなりました。
それに、前回の「みんなのコメント編」にも書いたけど、「もう一品」を考えるときは、教えてもらった必殺レシピを使います!
といっても、子どもの好きな「カレー、鶏のから揚げ、肉料理、フライ系、ひき肉料理、焼き魚の6メニュー」から考えるだけ(笑)。
いや、「鶏のから揚げ、フライ系、焼き魚」の3メニューかも(;^_^
これらの材料は、宅配生協で毎週/隔週お届け登録してるからなぁ。
たまーにタイミングや材料が合った時に、カレーやハンバーグを作るくらいかも。
料理に合わせて買い物するのも、結構面倒ですよね。
特にわたしは今なるべく引きこもってパソコン叩いていたいので(笑)、材料がないと作らないなぁ。
ひき肉も隔週登録くらいしとこっかな?
「ごはん、味噌汁、もう一品」~揃ってなくてもいいよね♪
もちろん、お味噌汁とおかずは、どちらかがない時もあります。
ご飯と唐揚げだけ、とか、ご飯と味噌汁だけ、とかね。
以前ならそんな食事だと罪悪感でいっぱいだったけど、「和食の本来の姿」のイメージが飯汁香になったから、全然気になりません^_^
おかずは、本来は漬物。
子供たちが食べないからと唐揚げを出してあげるなんて、なんて優しいお母さん(笑)
お味噌汁も、わたしが食べたくて割と作ってしまいますが、インスタント味噌汁もいろいろあって美味しいよね♪
お味噌汁の良さ&楽さ
お味噌汁の良さや楽さは、友人知人の食育家たち。
味噌汁は汁だけでもとっても栄養があるんですって!
出汁も、作る直前に煮出さなくても、こんな風に水に一晩漬けておけばいいんだそうです。
水出し法を教わってから、我が家は、頂き物の干しシイタケに、宅配生協のだしパック、スーパーのだし昆布を水道水に一晩つけています。
とっても簡単なのに美味しいですよ!
これを2日に分けて使っています。
冷蔵で5日程もつのも使いやすさの理由のひとつ。
こんな記事・本も「食事の用意を頑張らない」を応援
「結局作るんかーい」と思ったあなたには(笑)、「料理が苦手」に関して、こんな新聞記事もありました。
[blogcard url=”https://www.asahi.com/articles/DA3S13830207.html”]
「料理が苦痛だ」「自炊力」……「料理研究家じゃないから書けた」食事づくりの指南書、食の呪縛とサヨナラ(withnews) – goo ニュース
こちらは著者のコメント記事がありました。
これらの本も、毎日の食事の用意を楽にしてくれそう。
とにかくどちらの本にも共通するのは、たぶん「お母さん、お料理作るのが苦痛なら、作るのやめちゃいましょ☆」ってこと。
「食事の用意」=「料理」とは限らないよって。
料理は、作りたくなったらすればいいんですって。
あとは、 知り合いが15年も前に書いた古い記事なんですが、個人的に面白かったので載せておきます(^ω^)
彼は、もともと家事も育児もほとんどしない、仕事バリバリの2児の父。
奥さんの入院をきっかけに、そのすべてをしなくてはならなくなって、編み出した料理学(というか覚書?)をまとめています。
同じく彼が書いた「家事の敵と味方」というのも、また面白いよ(笑)
それでも食事の用意もしたくないときは…
それでも家族に食事の用意もしたくないときは、ごはんだけ温めてお出ししたらよいかと思います。
我が家は、先日わたしがあまりに仕事に熱中していたら、17時前におなかをすかせた次女と長女が、自分で冷凍ごはんを温めて、ふりかけをかけて召し上がっておられました。
足りないからと、おかわりのごはんも自分たちでレンチン。
結局それで夕飯終わった(笑)
でも、「おいしかった!お腹いっぱい~♪」ってニコニコなの。
空腹が一番のスパイスだったのか、やっぱり日本人は米が一番なのか。
「子どもにはごはんに塩をかけて食べさせておけばいい」って、本当だった~♪
ママがやるべきことは、冷凍ご飯を切らさないことと、レンジの使い方を子どもたちに教えることかもしれません(笑)
最近は年少の次女ちゃんも上手に使うよ~♪
あ、旦那さんに夕飯何もないこと、言うの忘れてた。
朝起きたら何か自分で作った形跡が…。ごめんね(;^_^
まとめ
- 「家族がおいしいと言わない」のは、安心安全な食事を用意できている証拠。
- 毎日の食事は、「ごはん、みそしる、漬物」が日本の本来のスタイル。毎日家族が喜ぶような一汁三菜を用意しなくてよい。(家族が「これだけ?」と言ってきたら、毅然と「これが日本の食事よ」と言うべし。もしくは、「イチローのような仕事ができるようになる食事」(本書参照(;^_^)))
- 料理が苦痛と思ったら、作らずとりあえず白飯を食べさせれば良い。
- 食べたくなったら、中食を利用するか、手間をかけない方法で食事を用意。「食事の用意」=「料理」とは限らない。
今回「料理が苦手」について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
「食事の用意をする」のに、わたしは「美味しい料理を作らなきゃ」と思って苦痛だったけれど、同じように思っている人がいたら、そういうハードルが少しでも下がるといいなぁ。
食事についてはもう少しお付き合いいただきまして、次回は「食事を用意するということ」について、考えていきたいと思います。
次回の記事にも、土井先生の本にもう少しお付き合い頂きたいと思います。